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県営引野住宅101号館
施設概要
所在地 | 福山市引野町南1-32-1 |
主要用途 | 共同住宅 |
発注 | 広島県土木建築局営繕課 |
設計 | 村田相互・UID設計共同体 |
監理 | 広島県土木建築局営繕課 |
工事 | 建築:大之木・占部特定建設工事共同企業体 電気設備:大和電気工事株式会社 機械設備:株式会社三幸社 昇降機設備:フジテック株式会社中四国支店 |
概要 | 建築面積:782.19㎡ 延べ面積:3,113.48㎡ 構造:鉄筋コンクリート造 階数:地上6階 敷地面積:4,335.30㎡ |
総工事費 | 約1,156百万円 |
工期 | 2023(令和5)年3月~2024(令和6)年8月 |
施設の特徴
県営引野住宅は、1970年代に建てられた15棟400戸を超える既存の団地で、眺望の良い高台に位置し、周囲は緑豊かな木々に囲まれた環境となっています。101号館は約10年3期に渡る県営引野住宅の建替計画の1期計画として建てられました。
建替にあたっては、既存住棟が並列配置となっており人の気配が感じにくいことや、独立した高台に建っていることで課題となっていたコミュニティの活性化と、入居者の移転を伴いながら、解体・撤去工事を行っていくという、長期に渡る工事期間中における住民動線の安全性などに考慮した計画が求められました。
それらに対応するために、建替後は、各住棟の1階部分をピロティ空間とし、隣棟(2期以降)に対して住棟を傾斜させて配置することで十分な住棟間隔を確保し、バルコニーにおいてプライバシーを干渉されない豊かな住環境を作り出すと同時に、エントランス前の軒下空間として子どもの遊び場や、住民の集いの場となるような計画としています。また、1期工事の住棟を旗艦棟として1期~3期工事における長期的な団地内の中心的な役割を担う場とするためにピロティの一部に集会所を設け、1期工事完了後から長い時間を掛けながらコミュニティを育んでいく場所としています。
加えて、長期の工期に対応するように、順次工事中における入居者との動線を分けながら入居者への安全性に配慮し、居住環境への影響が少ない計画としています。
なお、この設計は魅力ある公共建築物の創造のため、「参加資格のオープン化」、「建築関係団体との協定に基づく審査委員の選定」、「技術提案を重視した審査」、「公開ヒアリングなど審査過程の透明化」の4つの工夫を盛り込んだ広島型建築プロポーザルにより、設計者を選定しました。(新建築2025年2月号掲載)