わが国の官公庁施設(公共建築)は、平成22年現在、国と地方を合わせると約7億㎡で、そのうち自治体所有の施設については築後30年以上の施設が概ね25%を占め、現状のまま推移すれば10年後には築後30年以上の公共建築が約55%となり、今後は本格的なリニューアル、リノベーション、コンバージョンの時代を迎えることとなります。
さらに、耐震化、グリーン化、ユニバーサルデザイン、IT化などの課題を解消し、質の向上を図ることが求められています。
一方、公共建築を取り巻く環境は、市町村合併、少子高齢化など社会環境の著しい変化とともに、厳しい財政状況のもと、既存ストックの転用、賃貸などを含めた有効な利活用が求められています。
また、市民参加や民間の経営感覚を取り入れた施策を行う自治体も見られるなど、より自由な発想の下で、公共建築と都市や地域との関係を検討することが求められています。
次世代公共建築研究会は、社団法人公共建築協会(現一般社団法人公共建築協会)および財団法人建築保全センター(現一般財団法人建築保全センター)により設置され、学識者および関係企業などの参加のもと、良好な公共建築の整備と効率的な利活用、都市の活性化や地域再生・都市再生に貢献する公共建築と都市との新たな関係など2025年をイメージした次世代の公共建築のあり方の調査研究を平成19年より進めています。
本研究会は3年を1クールとして進められ、平成25年9月には第Ⅱフェーズが終了、現在は新しく「木造建築部会」を加えて第Ⅲフェーズに取り組んでいます。
座長 尾島 俊雄(早稲田大学名誉教授)
※現在は第Ⅳフェーズです。