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施設名称 | 宮島口旅客ターミナル |
所在地 | 広島県廿日市市宮島口一丁目地先 |
主要用途 | 旅客ターミナル |
発注 | 広島県土木建築局営繕課 |
設計 | 有限会社乾久美子建築設計事務所 |
監理 | 有限会社乾久美子建築設計事務所 |
施工 | 〈建築工事〉広成・広電特定建設工事共同企業体 〈電気設備工事〉大新電工(株) 〈機械設備工事〉天満冷凍機(株) 〈昇降機設備工事〉日本オーチス・エレベータ(株) |
概要 | 敷地面積 6,031.67㎡ 建築面積 2,637.63㎡ 延べ面積 2,174.39㎡ 構造 鉄骨造 階数 地上2階 |
総工事費 | 22.7億円 |
工期 | 平成30年10月~令和2年2月 |
背景・設計コンセプト
宮島口地区は、日本有数の観光地で年間約450万人の観光客が訪れる「世界遺産・宮島(嚴島神社)」の対岸に位置しており、本土と宮島をつなぐ交通の結節点として、多くの人が訪れています。
一方で、フェリーターミナルの老朽化に加え、滞留性・回遊性の不足により、その特性を十分に生かせておらず、現状は宮島に向かうための通過点に過ぎない状況でした。
そこで、このような課題を解決するため、平成28年3月に「宮島口地区まちづくりグランドデザイン」を廿日市市が策定し、宮島口のまちづくりの一環として、広島県が新しいフェリーターミナルを整備しました。
整備に際しては、建築設計プロポーザルを実施し、世界遺産・宮島の玄関口にふさわしい「宮島との“つながり”を意識した景観形成」、これまでの通過点から観光拠点に転換させる「新たな賑わいの創出」、宮島口地区で生活する人々の快適性を図る「観光と生活の共存」を求めました。
施設の特徴
完成したターミナルは、屋根の下の多くが半屋外空間となっており、切符売り場、運航者事務所、物販店及び観光案内に関わる諸室を割り当てたハコを入れ子状に配置することにより、建物としての境界が曖昧で、まちに溶け込んでいくような建築のあり方を追い求めています(なお、入れ子の構造は、嚴島神社の大鳥居の袖柱の構造形式に倣っており、大屋根の鉛直力を受ける柱に、下部構造が取り付くことで水平力を負担しています)。
また、観光交流拠点としての賑わいと地区に住む人々の快適性との両立を図るため、多言語対応した設備や多目的トイレの設置等、ユニバーサルデザインを積極的に採用しています。