国土交通省では、「官公庁施設の建設等に関する法律」に基づき「国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造に関する基準」が定められているとともに、国家機関の建築物の整備を効率的かつ的確に実施するため、計画、設計、施工等の各分野における技術基準も定められています。これらの技術基準を活用することにより、官庁施設の整備について一定の方向性と水準の確保が図られるとともに、災害に対する安全確保、利用者の利便性向上、環境への配慮等、社会的要請に的確に対応することが可能とされています。
「建築設備設計基準 平成30年版」は、一般的な事務庁舎の建築設備の実施設計に関し、「官庁施設の基本的性能基準」に定める性能の水準を確保することを目的に、標準的な手法が定められたものです。「建築設備設計基準 平成27年版」を基に、環境配慮としての照明設備の全LED化、安全・安心の確保を図るための幹線の二重化、居室における空気環境の確保のための見直し、雨水の利用の推進のための上水と雑用水の2系統化など、最新の関係法令・各種基準・規格類との整合や施工実態を反映した見直しが行われています。
これらの技術基準は、官庁施設を対象としたものですが、一般的な事務の用途に供する施設の建築設備設計においても、品質・性能の確保、設計業務の効率化、工事コストの縮減等に有効なものであると考えられることから、公共建築協会では、必要に応じて解説を加えた『建築設備基準 平成30年版』として刊行するとともに、理解を深めていただくために本講習会を開催することといたしました。多数ご参加くださいますようご案内申し上げます。