その8 財務省編

2015/09/10

今回は、財務省のページをジャランジャランしてみました。

ここでは、金融関係の話題が、多数出ていますが、簡単に仕事の内容がわかるところはないか、と見ていますと、ここにもありましたね。キッズコーナーが。この中に、税・財務Q&Aコーナー、というのがありまして、財務省は、どのような仕事をしているのですか、というものがありました。回答をみてみますと、実にみごと。これだけシンプルに表現できるのか、と驚きました。その中で、国会議事堂、最高裁判所を国の施設の例に出ていますが、3権分立ではあっても、税金と関係のある施設という点では、国民目線で、財務省が、その活用方法を見ているよ、ということでしょう。

次に、トップベージに戻りまして、公共建築に関連する国有財産のページを見てみました。まず、国有財産の現在額を見てみますと、全体が、約105兆円、そのうち、行政財産は、23兆円あまりとなっていました。残りが普通財産ということではありますが、独立行政法人等への出資などでした。なお、道路、河川の公共用財産は含まれていない、ということです。このあたりは、財産形状されたものの流動性の違いによる差なのかな、とか、想像しています。

次に、各省各庁所管財産実態監査等、というページを見てみました。その中には、未利用国有地のリストも掲載されており、もし、どこかに土地を探している、というような方には、興味深い資料ではないでしょうか。また、その中で、賃貸借している施設の面積に関し、過剰な場合の是正の話も書かれていました。適正な面積規模については、ファシリティーマネジメントの基本ではありますが、どうしても、物理的な建物の場合、間仕切りが固定されていたり、オーナーの意向があったりするので、そのあたり、ご苦労された中での調整なのかな、と想像したりしています。

次に、国有財産レポートのページを見てみました。ここに、国有財産行政の概略図が掲載されていました。100兆円を超える国有財産を有効に、透明性をもって管理していく、という趣旨が読み取れました。はじめに、のページをあけてみますと、閉じられた国有財産ではなく、国民生活に貢献していく国有財産のあり方を目指しているように感じます。こうしたポリシーが、さらに発展していくことによって、新たなアイデアにつながっていくように思います。さらに、第二部行政財産を開き、第3章庁舎・宿舎財産の庁舎の取得・有効活用に関する財務省の役割を開いてみますと、官庁施設の営繕・保全を担当している国土交通省官庁営繕部との協力・連携により、施設の面から、各省各庁の業務の円滑な遂行を支えていくという趣旨の説明がされています。事務的に管理するノウハウと、技術的に整備・保全していくノウハウを協同させることによって、利用者への理解、国民ニーズ・地域ニーズに、的確な対応を行っていく、ということだと想像できます。

次に、国有財産の効率的使用・有効活用~庁舎等使用調整計画~を見てみました。行政需要の変化から、庁舎の床需要にも変化が発生することから、モニタリングする中で、調整していく仕組みが、構築されているということを説明しています。面積の妥当性を判断する上では基準で、ここでは明確な表現はされていないものの、国家機関の建築物の面積については、国土交通省が定めている国家機関の建築物及びその附帯施設の位置、規模及び構造に関する基準に基づく新営一般庁舎面積算定基準を活用しているのではないでしょうか。民間の会社でも、どの程度の面積を、社員・会社の業務に必要な面積と考えるか、ということが、コスト、業務の円滑な実施、社員のモーテイベーション等、企業活動の業績に影響を与える要素ということで、重要な基準の一つと伺ったことがあります。建物利用者にも納得感のいく基準であることも重要で、国の庁舎では計画段階において、官公庁施設の建設等に関する法律による意見書制度により、新営一般庁舎面積算定基準が周知され、納得感のある基準となっていることがこうした制度を円滑に進める一助にもなっていると想像しています。

また、新たな展開・取り組みでしょうか、庁舎の余剰床の民間貸付けや、保育ママ事業への公務員宿舎の空きスペースの貸付けといった活用方法も紹介されていました。国民の皆様方から、「いいね」と思われることでしょう。

読者の皆様も、是非、財務省のページをのぞいてみてくださいね。

 

 

注)ここでの考え方等につきましては、筆者個人によるもので、公共建築協会とは、関係ありません。