その5 経済産業省編

2015/06/10

先月号では、紙面の都合で、お休みとなり、楽しみにしておられた読者の皆さまには、申し訳ありませんでした。さて、心も新たに、今回は、経済産業省のホームページをジャランジャランしてみました。

まず、トップページを見て、バナーの部分を見ておりますと、地域経済分析システム・RESASというものがありました。以前、NHKの番組で、取引にかかるビッグデータを用いて、地域の強みになっている企業を探して支援する、というシステムがあることを紹介していましたが、ここに紹介されているのか、と思った次第です。早速、いじってみますと、なかなか、興味深く、ここで、見ることができるデータの転載も、出典を明らかにすれば、だいたい、活用できる、ということでしたので、公共機関、シンクタンク系の方などには、使いやすいものなのではないでしょうか。

次に、組織について、見てみました。「経済産業省について」をクリックしますと、経済産業省の仕組みの中から、組織図に飛ぶことができました。経済産業政策に始まり、通商・貿易、産業、製造、商務情報、資源エネルギー、特許、中小企業と日本にとって、重要な業務を担っていることがわかります。また、経済産業省へのアクセスをみてみると、近くを入っている地下鉄からの出口の番号まで書かれていて、さらには、本館、別館のフロア案内も出ているので、どちらの庁舎に近い出口はどこかな、と探せます。ここで、ちょっと、驚き。郵便番号というのがありまして、経済産業省と外局でわけていました。

おっ、「キッズページ」というのが、眼に飛び込んできました。簡単に概要を知るには、ここが一番かな、と思ってクリックしますと、これは、不思議。「ミライーノひろば」というのが出てきました。「あっ!とおどろく未来都市をつくりたい!」をクリックしてみました。自然から生まれる新しいエネルギーの可能性、というのが出てきまして、ちょっと意外で、建築をバックグラウンドにもつ私と、経済産業省の担当する分野の違い、というところでしょうか。ここで、さらに「経済産業省ではどんな未来都市をつくろうとしているの?」クリックしますと、スマートコミュニティーに、言及していました。コンピューターによる管理と、電気を無駄なく使うというエネルギー政策にかかることが、語られています。エネルギー政策は、我々の生活に欠かすことのないことであり、さらには、地球環境問題ともかかわることですから、子供のころから、意識を持ってもらう、ということは、大切なことでしょう。電力メーターをスマートメーターとし、街全体の電力消費状況がオンタイムでわかるというコンピューターによる管理の便利さや無駄の排除につながる見える化といった具体例が紹介されていました。

今度は、「いろんなものをデザインしたい!」を見てみました。クールジャパン、という文字が飛び込んできました。これも、ちょっと、意外な感じがしました。デザイン、という言葉を聞くと、どうしても、ものをつくったり、何かをしたりと、なにがしかの価値を生み出す行為に想いがちですが、ここでは、日本には魅力的なものがいっぱいあるという紹介の中で、そういうものは、日本人が生み出してきた、つまりは、デザインをしてきた世界的にも認められた文化の数々である、という脈絡で、デザインという言葉が使われているのかな、と想像しました。

また、サイト内検索ができるようになっていましたので、ためしに、「建築」、というワードで検索してみました。

トップに出てきたのは、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案」関係でした。今国会への提出法案で、建築物への省エネ基準の適合義務化という内容が紹介されています。建築に携わる者にとって重要なルールとなります。次に、「農業ドームと建築基準法の関係が明確になりました」というものでした。不勉強で、申し訳ないのですが、産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」を活用し、事業所管大臣である経済産業大臣・農林水産大臣が、規制所管大臣である国土交通大臣への確認を経て、特殊発泡ポリスチレンを活用した農業ドームについて、通常の屋内用途に供さず、天井部が取外し自由である場合など建築基準法上屋根とみなされないと判断できる場合は、建築物ではないと解して支障がない、という回答を掲載しているものです。次が、総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 建築材料等判断基準ワーキンググループ‐サッシ及びガラスに関するとりまとめ、というものでした。とりまとめも掲載されています。つい先日、このとりまとめを行った委員の先生から、外皮負荷がエネルギー消費に大きな影響を与える、という講義を聞いたばかりだったこともあり、興味深い情報でした。

そのほかにも、いろいろと、建築にかかる情報が掲載されており、経済産業省が、建築生産分野にも、深く関わっているということを認識した次第です。

 

注)ここでの考え方等につきましては、筆者個人によるもので、公共建築協会とは、関係ありません。