その4 農林水産省編

2015/04/10

今月は、農水省をジャランジャランしてみました。

まず、農水省のトップページを見て飛び込んでくるのは、注目情報です。中でも、重要と書かれているものがありまして、韓国での口蹄疫、鳥インフルエンザ、家畜水産物の放射性物質、実在しない農業債勧誘への注意です。口蹄疫のページを見てみますと、韓国・日本で発生している状況や人の移動が活発になったことによるリスクの拡大・注意が出されています。私だけかもしれませんが、最近のニュースの中で、目に入っていないので、驚きです。宮崎県で発生した折、連日のように報道され、その処理の大変さを目の当たりにしただけに、心配なことです。鳥インフルエンザについても、出されていました。私がインドネシアに住んでいたとき、毎月、JICA事務所から、鳥インフルエンザ情報が出されていましたし、鶏の突然死を身近でも聞くこともあったので注意していたのですが、日本に帰ってくると、ついつい、忘れてしまいます。しかし、昨年12月に、「高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜の確認」がされたということで、国内でも、注意が必要であることを改めて認識しました。

その次に私の目に飛び込んできたのが、組織・政策です。林業部門水産部門は、庁として、その責任を担っているようですが、農業という幹に、統計、国際、検査、消費・安全、食料産業、生産、経営、農村振興という枝をつけ、様々な視点で、国民にとって重要な農業を支援している、ということを実感します。昨今の食糧事情の変化などの報道を見ておりますと、ますます、その重要性がましておりますし、さらに、頑張ってほしいところです。

また、農水省では、国土交通省とともに、公共建築物等木材利用促進法を所管し、木造公共建築物の推進を進めているところです。農水省の関係ページでは、国産木材の利用と、それによって、森林資源の管理が適正に進められ、CO2の吸収にも役立つ、とうたわれていました。そこから、各種情報をみてみますと、地方公共団体における木材利用方針にリンクされておりまして、先日、その取り組みをお伺いし、感銘をうけました静岡県の取り組み、「“ふじのくに”公共建築物等木使い推進プラン」などもリンクされていました。また、都道府県レベルだけでなく、市町村レベルの策定状況も紹介されていまして、すでに、全国で、84%が策定されており、全国的に関心の高まりにつながっている状況がみてとれます。また、農水省自身でも、新農水省木材利用推進計画が策定され、その取り組みの成果が紹介されています。目標は、100%と非常に高く設定された中、木造化率が88%と紹介されておりますので、相当、努力されているものと推察できます。内装等の木質化率では、93%に達していまして、さらに高い数値となっています。

法律所管省庁としての基本方針も定められていまして、国の取り組みや、地方公共団体の役割、対象公共建築物の範囲などが定められています。

さらに、木材利用の事例も紹介されていまして、その中をみておりますと、公共建築だけでなく、民間の施設においても、木の利用を進めている事例が紹介されていました。民間の場合、営利目的をもつ中で、そうした材料を選定する、という判断がされていると想像できるのですが、最近伺いしまたお話によれば、木造化によって、建築コストが、若干、高くなる、ということでして、それにでも、木を使うメリットがあるのかな、と思いました。おそらく、経営戦略上、木質材料を使うことによる雰囲気造りや、外観上の魅力による集客効果などを期待されているのではないでしょぅか。つまりは、木という材料が、日本人の感性に合っている、ということを暗に示しているのではないか、と思いました。

それから、水産庁も、お魚大好きの私としは、みのがせません。中でも、浜の応援団。おもしろい企画です。建設会社の中からも、五洋建設さんが、メンバーに入っていました。以前、NHKの番組で、魚の食べ方に精通した、現場大好きの農水省の職員の方が出演され、いろいろな活動が紹介されていましたが、そのパワーには、圧倒されっぱなしでした。浜の応援団の方々も、そうした熱い思いで、協力しておられることと、想像しますと、水産業の未来も明るい、と思いました。もっと若くて、魚釣りが上手だったら、私も浜の応援団として活躍できるのに、とも思ったりした次第でした。

 

注)ここでの考え方等につきましては、筆者個人によるもので、公共建築協会とは、関係ありません。