今月は、環境省をジャランジャランしてみました。
最初に目に飛び込んできたのは、東日本大震災への対応、放射性物質対策でした。今、日本で、最も大きな問題のひとつだと、誰もが思うのではないでしようか。そうた問題に、真っ向からとりくんでいる省であることがわかります。東日本大震災への対応の中では、災害廃棄物対策という言葉が出てきます。地震・津波によって、一度に、大量の廃棄物が発生したのですから、環境省や地方自治体の実施すべき廃棄物処理に関する業務が一度にふくらみ、しかも、その対応のために、法整備も行いながら、ということですから、さぞかし大変であったろう、と推察する次第です。津波や地震で壊れた建築物もこの中に入ってくると思いますが、建築物は、さまざまな材料を組み合わせたものであったり、さらには、さまざまな用途の建築物の中に、家具とか、機器、さらには、PCBのような保管義務をおったものなどが、あったりもします。さらに、資源有効利用促進法によって、再資源化を図っていくパソコンなど、法令にのっとってすみやかに処理すべきものがあったりします。また、廃棄物となった後の危険につながる保管していたPCBの流出による汚染など、ひとくくりに廃棄物といっても、それぞれの個別の対応が必要となったり、さらには、他省庁との調整が必要になるなど、これもまた、大変なことであったろうと推察します。特に、アスベストについては、古い建物の建材に含まれている場合もあり、具体的にどういうところに使われているのか紹介され、その処理についても、マニュアルが用意するといった対応がされています。一度、飛散してしまうと、なかなか、回収が困難で、健康被害をもたらすものですから、環境省のページで紹介されているように、的確な対応を促すための情報提供が重要なことだと思いました。
また、建築の世界では、地球環境問題への取り組み、特に、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー化が重要な課題となっています。環境省のホームページの中で、温室効果ガス排出量の確定値が出ていますので見てみますと、事務所等が含まれる業務その他部門が、基準年度比で65.8%増と、他の分野と比較して、大きな伸びを示していることがわかります。こうした実態を踏まえますと、さらなる努力が必至、という状況でしょう。わが国の2020年度に向けての目標も設定されていまして、2020年度に、2005年度比でマイナス3.8%とされておりました。
さらに、環境アセスメントのページもありました。ここで、便利に感じましたのは、環境影響評価支援情報ネットワークが構築されていて、環境アセスメントが行われた事例とか、現在進行形のものが把握できるようになっています。こうした業務に携わる方には、大変便利な参照ツールでしょう。
それから、環境省といえば、自然環境・生物多様性にかかる政策も、非常に関心の高い話題です。ページをみますと、自然環境の保全、海洋の生物多様性・サンゴ礁の保全、国際的な森林・砂漠化対策、南極地域の環境保護、ラムサール条約による湿地・水鳥の保全、生物多様性の保全、自然とのふれあい、野生生物・飼養動物の保護管理、希少野生生物の保護等、テレビでよく紹介される世界の自然の風景に通じるような事項が並んでいます。
私にとりまして、中でも興味深いのは、サンゴ礁の保全です。以前、インドネシアのマナドというところに住んでおりましたとき、ブナケン島に、よくシュノーケリングに出かけました。スキューバダイビングでなくても、海に広がるサンゴ礁が見えていました。ところが、マナドにすみ始めて、1年半ほどすぎたころに、以前行ったことがある場所でシュノーケリングをしてみますと、以前に広がっていたサンゴが死んでいました。非常に驚くと同時に残念な気持ちになりましたが、そうした問題に直面する中で、サンゴ礁の保全に取り組んでおられる環境省にはがんばってほしい、と思ったところです。
また、自然大好きクラブなるページもございまして、様々な自然とのふれあいイベントが企画されています。レンジャーの方々がガイドをされているようで、自然のプロと一緒に散策するので、一味違った自然とのふれあいが楽しめるのではないか、と思います。
とにかく、私も参加したい!!できるかなぁ・・
注)ここでの考え方等につきましては、筆者個人によるもので、公共建築協会とは、関係ありません。