最近のニュースから・超高層建物20150130

2018/01/23

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最近のニュースから・超高層建築物  2015年1月30日

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私の活動のひとつに、建設業界向けの専門新聞の内容で、公共建築を担当する行政の方々が、関心の高いと思われるニュースをピックアップする、ということがあります。

そうした活動を通じて、公共建築の行政に関わられる方が気になるのではないか、と思われるニュースについて、私自身、いろいろと想像をめぐらせることがありまして、そうした想像についても、公共建築ニュースのような紙面ではなく、活動報告の中で紹介していきたい、と思いました。

 

最初に、最近の超高層建築物の話題についてです。少し前に、NHKのニュースを見ておりましたら、大阪で上町断層が動いたら、超高層が倒壊するという映像が出てきまして、隣接する建物にも被害が出る、という、かなり、ショッキングなシミュレーション映像でした。インターネットの中でも、映像に対する反応を書かれているコメントを見ることがありまして、相当大きな影響を与えたように感じました。

 

ただ、ここで、考えなくてはいけないのは、建物というのは、想定される以上の外力、この場合は、地震力ですが、想定以上に入ってきた場合、あるいは、建物がもつ抵抗力を超えてしまえば、壊れるものだ、ということです。

そのため、法令により、建物特性に応じた一定の地震力が設定されている、ということです。今回の崩壊の可能性は、法令で想定されている地震力が、実態にあっていない、という主張であり、別に、超高層でなくても、大手建設会社がシミュレーションした地震力を入れてみますと倒壊してしまう、ということがおこりうるのではないか、と思います。そういう点から、一般的な低層建物などに対する評価は、上町断層が動いたときにどのようになるのか、彼らの発表を期待したいと思いますし、地震力の専門家の間で議論が行われ、妥当な地震力、というものを出して言ってもらいたい、と思います。

 

また、同じ超高層建物に対し、大手建設業者が解体技術を開発した、というニュースがありました。今後、地震力の見直しが起こってきた場合、耐震補強する、というようなケースが出てくると思いますが、その場合に、補強しきれないから建て替えする、というような選択肢が出てくると思います。さらには、超高層のたてものも、かなりな年数を経過したものがあったり、新たな制度の活用や土地の買い増しなどで、容積率が追加できるようになった場合などに、建て替えにより、目いっぱいの活用をしたい、というようなことも起こってくるのかな、と思います。

 

超高層ビルが建設されるのを見る中で、これも建て替えするときがくるのかな、と思ったりしながらも、まぁ、今は考えなくてもいいのかな、とか、勝手に思っていたりしたのですが、業界の方々の一部では、本格的に超高層ビルの建て替え、といった投資が行われる気配を感じている、ということだと思います。今後の超高層ビルの動きを注目していく必要があるのかな、と思いました。

 

どちらも、超高層ビルにかかる話題ですが、超高層というキーワードだけでない、別のキーワードもあるのではないか、と感じる報道でした。